数理生物学者のダーシー・トムソンの On Growth and Form で示されるような、モーフィングと呼ばれる形状変換の手法がある。
これを元に、グレッグ・リンは Embryological House という作品を発表した。
しかし、リンの家がモーフィングするアニメーションと、トムソンの主張は、少し異なる。ここに図を示す。
トムソンのモーフィングとは、異なる環境に住む同一の種をグリッドに配して、差異を比較したものだ。ここで比較される形状は、生物の進化の過程で時間とともに世代を経て、その環境に順応するために進化してきたその結果である。(紫色の矢印)
しかし、リンは、同一のものが、異なる環境に対して、それが変化するというストーリーを作っている。(オレンジ色の矢印)
建築的に、環境デザイン的に言えば、
前者は、各地でその場の気候のような環境条件や、生活習慣に合わせて、様々なかたちに分化している建築、バナキュラー的な発展そのものである。
リンが描いた、環境に対してリアルタイムに変化する建築と言うものは、ほとんど実装されていない。
建築物は、環境の異なる場所に移動させるものではないので、建築の設計において考慮する、土地とその場所の環境、例えばカムチャッカ、メキシコ、ニューヨーク、ローマ、その土地に合わせてデザインすれば、その土地の環境の中で生活できるのである。
リンの描いた、実際にモーフィングする、可動する空間として今回の作品を制作しました。
あとで
(171120)
ダーシー・トムソンの wikipedia より上2枚
(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%88%E3%83%A0%E3%82%BD%E3%83%B3)
上から3枚目拾った
上から4枚目、作成
上から5枚目、Greg lynn