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その他の知的財産(1時間)

単元: 社会と情報「情報安全 6.知的財産権の概要と産業財産権」(p.72-73)

本時の位置づけ

教材観

知的財産法は成果メディアの一つであり、権利者と利用者の間のtrade-off関係を平衡している。 前時で扱った著作権と知財の双璧をなし、産業財産権の代表でもある特許制度については、発明者に大きな権利が与えられることから、特許として認められるためのハードルが極めて高くなっている。 特に、特許要件のうち重要な位置を占める新規性と進歩性の概念は、生徒が日常生活の中でtrade-off関係を批判的に思考する上でも優れた示唆を与える。 従って、知財の概要を紹介するだけでなく、新規性と進歩性を学ぶことを通じて成果メディアとしての法について、生徒の認識を深められる授業を行いたい。

生徒観

西京高校の1年生は全体的にコミュニケーション能力が高く、他校と比べても学力的に秀でているといえる。 文化祭で演じる劇やフィールドワークの事前学習に積極的に取り組む他、美術や音楽などへの素養の深さも随所に伺える。 京都という土地柄もあり、生徒はこうした文化的活動に関わる機会も多いため、新規性と進歩性を考える活動は、身近なものとして主体的に取り組むと考えられる。

本時の目標

  • 優れたアイデアの条件である新規性と進歩性の概念を理解し、生徒個々の創造活動に対する認識を深化させること。
  • 日本の知的財産制度の概要を理解し、権利者と利用者の間のtrade-off関係と、それを調整する役目を持つ知財法の成果メディアとしての側面を理解すること。

指導計画

1時限目

sequenceDiagram
	participant T
	participant S
	participant G

Note left of T: 導入(5分)
	T->>S: 前時の著作権法に関する内容を復習する。
	T->>S: 著作物の定義や例を復習しつつ、アイデアは著作権法では保護されないことを確認する。
	S->>PC: タブレットの準備作業を行う。
	Note right of S: タブレットの準備状況に配慮する。

Note left of T: 展開(10分)
	T->>S: アイデアを保護する特許を皮切りに、知的財産の概念と知的財産権を説明する。
	Note right of S: 生徒のタイピング速度に留意する。知財を専門とする弁理士、管轄する特許庁にも言及する。

Note left of T: 展開2(10分)
	T->>S: 特許制度の概要と、特許要件(特に新規性と進歩性)を説明する。
	S-->>T: 事例を通じて、新規性と進歩性の概念を理解する。
	Note right of S: 実用新案、意匠、商標も同様であることに言及する。

Note left of T: 展開3(20分)
	T->>S: 特許の例を用いつつ、新たな発想も既存のものの組み合わせで生まれることを伝える。
	T->>S: GW課題(「高校生の生活を豊かにするもの」の考案)を提示し、キーワードリストを配布する。
	S->>G: キーワードリストを組み合わせながら、新規性・進歩性のあるアイデアを考える。
	Note right of S: 課題では、新規性・進歩性に加え実現可能性(産業上の利用可能性)も重要だと伝える。

	G->>T: GW課題を提出する。
	T->>S: 提出されたGW課題を全体で共有する。
	S-->>T: 他班の課題を検討しながら、新規性・進歩性の判断力を身に付ける。
	S-->>T: 単に組み合わせるだけでは進歩性が不十分で、その分野の知識が必要だと認識する。

Note left of T: 総括(5分)
	T->>S: 機能的分化社会において新規性と進歩性がtrade-off関係に果たす役割と、その調整役(成果メディア)としての法があることを復習する。
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